EtherNet/IPにプロセス・デバイス・プロファイルを追加―より高度なプロセス変数や診断情報の標準化をサポート

ドイツ、ハノーバー –2023年 4月17日– ODVAは本日、EtherNet/IP™仕様書にプロセス・デバイス・プロファイル(Process Device Profile)を追加したことをご案内します。これにより、オートメーションを利用する皆様に向けて、工場運用の最適化を図れる重要なツールをもう一つご提供できるようになりました。プロセス・デバイス・プロファイルは、多数のデバイスにおよぶプロセス変数や診断情報のための標準フォーマットとして、異なるベンダ間の相互運用性を円滑にし、EtherNet/IP対応フィールド機器からDCS(分散制御システム)やPLCへのデータ統合を容易にします。デバイスプロファイルは、コリオリ式流量計や電磁式流量計、渦式流量計、標準的な圧力計、目盛付き圧力計などに利用できます。そのため、プロセス産業のエンドユーザーはEtherNet/IPデバイスを活用して、NAMUR NE 107ステータス信号などの重要な診断情報の通信性向上を図れるとともに、PA-DIM(Process Automation Device Information Model)との整合性も高められるようになりました。

EtherNet/IPプロセス・デバイス・プロファイルは3つのオブジェクトで構成されています。圧力や液面レベル、流量といった変数のためのプロセス測定値オブジェクト(Measurement Value Object)、トータルの流量など累積データを追跡するプロセス合計値オブジェクト(Totalized Value Object)、工場のオペレータや保守スタッフが機器やプロセスに付随するステータス情報にアクセスできるプロセス機器診断オブジェクト(Device Diagnostics Object)です。プロセス・デバイス・プロファイルは、センサの信号やアクチュエータの位置データを有用な情報に変換して、製品品質や運転効率を改善するための対応がとれるようにします。加えて、測定信号の信頼性評価や機器の故障を早期に特定することで工場の操業停止を防ぐために使用することも可能です。たとえば、プロセス合計値オブジェクトによって機器のトータルの使用時間を追跡したり、プロセス測定値オブジェクトと機器診断オブジェクトから機器の健全性を推定したりすることができます。そのためユーザーは時間に基づく保守から、状態に基づく保守へと転換できます。本来工場を停止してまで取替えの必要がない機器を交換してしまうような可能性を排除すると同時に、故障を起こしそうなデバイスを早期に特定できるようになるのです。これによって、不要な保守費用とダウンタイムの両方が削減可能となります。

EtherNet/IPプロセス・デバイス・プロファイルは、FieldComm Group、ISA100 WCI、 NAMUR、ODVA、OPC Foundation、PI、VDMA、ZVEIの共同規格であるPA-DIMとの対応が向上するように、パラメータの追加とデータタイプの改良を行って設計されています。このPA-DIMに基づけば、プロセス機器からの情報を標準化した方法で表現でき、アクセスがさらに容易になります。また、EtherNet/IPプロセス・デバイス・プロファイルは、測定値とその状態としての品質を明らかにするとともに、測定値のシミュレーションも可能にします。つまり、バルブに対するパーシャル・ストローク・テストなど重要な安全機能の試験をプロセスデータに影響を与えることなく実行できるのです。プロセス・デバイス・プロファイルが提供するリアルタイムなプロセス変数や累計データ、診断情報の標準フォーマットを使えば、ベンダを問わず、すべてのEtherNet/IPデバイスで情報が同じになるため、エンドユーザーにとって異なるベンダ間の相互運用性も向上します。

プロセス・デバイス・プロファイルの追加により、Ethernet-APL物理層を利用できるなど、EtherNet/IPがもつプロセスオートメーション能力がさらに高まりました。特にEthernet-APLは、市販の産業用制御ハードウェアの活用、オブジェクト指向の基盤づくり、TCP/IP、HTTP、FTP、SNMP、DHCPなど標準インターネットプロトコルとの互換性といった利点を完全に活かすことができます。Ethernet-APLは、シングルペアEthernet(IEEE 802.3cg-2019、10BASE-T1L)と電力供給、本質安全(IEC 60079、2-WISE)に加え、最大1,000mの配線が可能で10Mbit/sの速度をもつタイプAのフィールドバス・ケーブル(IEC 61158-2、本質安全に対応)を組合せたものです。加えて、EtherNet/IPはNE 107診断機能やHART機器およびIO-Link機器の統合によるプロセスオートメーションもサポートしています。ODVAでは生産設備管理ツールへの統合を容易にすべく、FDTやFDI、xDSなどのデジタル化された次世代のデバイス記述ファイルによってEtherNet/IPエコシステムの拡大を継続して進めています。こうした取組みの一環としてODVAは先ごろ、最も重要なプロセス・アプリケーションでフェールセーフな制御装置の冗長化を可能にする同時接続の可用性についてもリリースしたばかりです。

ODVAの会長兼業務執行取締役Al Beydoun博士は次のように説明しています。「EtherNet/IPへのプロセス・デバイス・プロファイルの導入によって、プロセス産業の要望に完全に応えるための重要なステップをもう一歩踏み出しました。EtherNet/IPプロセス・デバイス・プロファイルは、エンドユーザーによる工場運営に役立つに違いありません。ダウンタイムを最小限に抑えてコストを削減しながら、歩留まりを高められるからです。加えて、PA-DIMとの統合性も改善するため、プロセスオートメーションを実践している皆様は、制御室でもクラウドでも価値ある診断情報やプロセス変数を利用できるようになり、操業を最適化するための知見が増え、タイムリーに対策を講じることも可能になるでしょう」。

EtherNet/IPプロセス・デバイス・プロファイルは、ベンダ間の相互運用性を高めて、プロセス変数のほかNAMUR NE 107ステータス信号などの重要な診断情報へのアクセスを容易にできるうえ、PA-DIMとのシームレスな統合もいっそう進みます。さらにプロセス・デバイス・プロファイルを使えば、試運転も簡単に行え、生産設備のより高度なモニタリングや上位のPLCやDCS、クラウドシステムへの統合も可能になります。EtherNet/IPのプロセス・デバイス・プロファイルを含むEtherNet/IP仕様書の最新版はodva.orgから入手いただけます。

ODVAについて
ODVAは、世界をリードするオートメーション関連サプライヤを会員企業として国際的な規格策定や取引を推進する組織です。ODVAの使命は、産業オートメーション分野に向けた、オープンで相互運用可能な情報通信技術の発展を図ることです。ODVAによる規格には、メディアに依存しないネットワークプロトコルのCommon Industrial Protocol(CIP™)に加え、EtherNet/IPやDeviceNetなどの産業通信技術があります。生産システムの相互運用性と他のシステムとの統合を実現するためには、商用オフザシェルフ(commercial-off-the-shelf)のInternetおよびEthernet技術を採用することが有効であるとODVAは考え、一つの指針としています。その指針を具体化したものがEtherNet/IPであり、現在、産業用Ethernetネットワークをリードする存在となっています。ぜひ、ODVAのwww.odva.orgをご覧ください。

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Steven Fales
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