プロセスオートメーション 

フィールド・レベルと上位システムレベルの間で効果的で使いやすEthernet通信システムは、プロセス産業におけるIIoTやインダストリー4.0ソリューションをともなう将来のアプリケーションにとって重要な要素です。その役割に応えられるシステムとして、NAMUREtherNet/IPを最小バインディング要件の一つに挙げています。ODVAは、現在はもちろん将来にわたって、プロセス産業が求めるすべての要件に見合うようEtherNet/IPを改良し、プロセス・プラントにおけるEthernetの拡大に応えていくことをお約束します。 

詳細については、「プロセス オートメーション: フィールド デバイス レベルの EtherNet/IP」ホワイト ペーパーをご覧ください。

その取組みの一環として、NAMUR NE 107要求仕様のProcess Diagnostics(プロセス診断機能)をEtherNet/IPに統合するとともに、HARTおよびIO-LinkデバイスEtherNet/IPアーキテクチャに統合する変換メカニズムを用意しました。HARTIO-Linkデバイス用のシームレスな変換サービスを追加したことにより、エンドユーザーは既存の資本設備を最大限に活用できるようになります。これはプロセス産業の製品ライフサイクルが長いことを考えると極めて重要あると同時に、EtherNet/IPが持つメリットも活かせるようになりま一方、NAMUR NE 107仕様の診断情報を盛り込んだ最終的な狙いは、EtherNet/IPを通じて重要なプロセス情報をデバイスからクラウドへ確実に送信可能にすることにあります 

また、プロセス産業の利用者にとってのメリットのために、EtherNet/IPFDIおよびFDT技術とも効率的かつシームレスに動作することを保証するための取組み進めています。その結果、EtherNet/IPは、IIoTやインダストリー4.0NOAOPAFなどにおいてより優れた性能を実現可能にする技術として、プラント全体にわたって上位のインフラへのデバイス接続に使えるようになっています。 さらに、ODVA は、通信プロトコル間で統合できる PA-DIM プロセス オートメーション デバイス情報モデル仕様をサポートし、NAMUR オープン アーキテクチャ (NOA) の要件を満たし、エンド ユーザーがプラント全体からのデバイス データをより適切に利用できるようにします。 PA-DIM の詳細については、こちらをご覧ください

Ethernet-APL™

ODVAは、Ethernet-APLとして知られ、長距離のシングル・ペア・イーサネットが実現するAdvanced Physical Layer普及促進のために、業界規模で行われている取組みに積極的に参加しています。このEthernet-APLは、最長1,000 m2線式ケーブルが使え、既存インフラの再利用が見込めるほか、危険エリアでも使用できます。そのため、プロセス産業でEthernet活用非常に大きな可能性が広がりましたEthernet-APLは、プロセス産業におけるEtherNet/IPの重要な要素となるに違いありません。Ethernet-APLについて詳しくはホワイトペーパー『Ethernet to the Field』をご覧ください。英語版日本語版をご用意しています。

Ethernet-APLを介した産業用Ethernetは、フィールド・レベルにおいて、まず最初に大規模なデータ交換が求められるデバイスに適用されることになるでしょう。たとえば、計測データ(流速や粘度など)を保持している流量計や、プロセス・データ(ストロークや摩擦力など)を保持している制御バルブなどです。さらにに見るとこれに続いてシンプルなセンサやアクチュエータなどより小規模なデータの交換が要求されるデバイスに適用が広がるものと思われますEthernet-APLによってEtherNet/IPのような産業用Ethernetベースのネットワークを介し高速豊富なデータによるプロセス制御がもう間もなく実現します。 

Ethernet - To the Field
Ethernet-APL™: Ease of adoption. Seamless integration.
Simplified installation. Greater range. Valuable data.
Ethernet - To the Field
Ethernet-APL™.簡便な実装、シンプルでシームレスなインストール、
幅広く付加価値の高いデータへのアクセスを可能にします。

Ethernet-APLは単なるシングル・ペア・イーサネットではありません。Ethernet-APLは、シングル・ペア・イーサネット(IEEE 802.3cg-2019、10BASE-T1L)と2線式本質安全防爆イーサネット(IEC 60079、2-WISE)、タイプAのフィールドバス・ケーブル(IEC 61158-2、本質安全用)で構成しますこのようなシングル・ペア・イーサネット、2線式本質安全防爆イーサネット、タイプAのフィールドバス・ケーブルの組合せは、トランク長あたり最長1,000 mの長距離配線や、あらゆる危険ゾーンと危険区域での本質安全防爆を必要とするプロセス産業のニーズにEthernet-APLが応えられることを意味しています。特に2-WISEでは、計算を必要としないシンプルな検証ステップを含めた本質安全防爆仕様を規定しています。 

こうしたEthernet-APLのケーブル仕様は、エンドユーザーがインピーダンス100±20 Ωという規格を満たすタイプAケーブルをすでに敷設している場合、それを再利用できる可能性があることからも重要です。タイプAのシールド付き2線式ケーブルは、配線ミスを抑制するため極性の区別はありません。既設のオートメーション機器への物理的な接続部を整えるケーブル加工ツールのほか、ドライバが1本あれば確実に配線できます。これにより、既存のフィールドバス機器の移行が格段に容易になり、大規模な設備や長距離配線では時間とコストを大幅に節約できる可能性があります。 

Ethernet-APLは、IIoTやインダストリー4.0対応ソリューションをともなう未来志向のアプリケーションにおいて、デバイスからの重要な情報をクラウドに送信しやすくするためシングル・ペア・イーサネット技術を使用します。エンドユーザーがEthernet-APLに寄せる期待は非常に高く、これがEthernet-APL普及促進を支えており、企業にとってもコスト削減につながる貴重な追加データの洞察ができるというメリットが得られることになるでしょう。EtherNet/IPはもともと、IP技術を基盤に将来を見据えて設計されたものですが、今後はEthernet-APL上で稼働する主要な産業用Ethernet通信ネットワークの一つとなるに違いありません。EtherNet/IPのシングル・ペアイーサネットソリューションについては、“ここをクリック”すると詳しくご覧いただけます。 

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